骨盤内臓器の下垂感/子宮下垂感/頻尿/尿意切迫に対する施術例~続き~

前記の施術例の続きです。

 

最終的に約2カ月間施術を継続しました。

また、鍼灸施術に並行して、食養生として利水・利尿の作用がある「トウモロコシのひげ」と「スイカ」を摂るようお願いしました。

ちょうど季節の野菜であったこともあり、真面目に食事に取り入れていただきました。

2カ月経過後、骨盤内臓器の下垂感と残尿感が解消しました。 

 

骨盤内臓器の下垂感/子宮下垂感/頻尿/尿意切迫に対する施術例

(こちらの例は、現在も3週間ほど施術継続中の方の例です。ご本人同意のもとに施術例を記載しています。)

 

始めは閉経後数年経って、不正出血が認められたそうです。骨盤内臓器の下垂感(ご本人の感覚)と、排尿が途中で止まる症状でお困りです。

排尿時に尿を出しきらないままお小水が止まり、排尿直後に尿道口付近の筋肉が収縮して強い痛みを感じるとのことでした。

充分に排尿が出来ないため、常に尿意があり、頻尿と尿意の切迫、便秘もありました。

  

治療初回は、現在の状態を脾虚と捉え、脾経、心包経、胃経にアプローチしました。この時点で不正出血は止まりました。

翌日2回目の施術では、百会、維道、子宮他の経穴を使ったところ、刺鍼中に「子宮がエレベーターのように昇ってきた感じがある」との感想をいただきました。

また、中医学で漢方薬を併用して症状を改善している事例を患者さんにお伝えしました。

私たちは医師・薬剤師ではないので、あくまでも一つの情報としてお知らせし、ご希望であれば漢方薬局に相談してみてはいかがと伝え、後日確認すると10日間ほど服用したとのことでした。

 

初回から約3週間経過した現在では、子宮下垂感はかなり解消しています。

ここ1週間ほどは、日中は平常の活動が出来るが、夕方から夜にかけては残尿感が出る日があるとのことで、上記した維道や子宮穴等への刺鍼・施灸に中極と中髎他を加えて施術を継続しており、夜の残尿感も減ってきているようです。

 

因みにこの方の場合、「夜間尿(就寝後から朝までに2回以上トイレに立つこと)」は元々なく、今回の症状が発生してからもそれはないとのことでした。

 

 

更年期障害と全身倦怠感に対する施術例

「数年前より全身のだるさとコリ、更年期障害の症状が出て、仕事にも支障が出るようになった。鍼灸は未経験であったが、知人の勧めにより、当院の施術を受けることにした」とのことでした。

 

脈、舌の状態、切診(東洋医学用語で触診のこと。当院では、背中、腹部、手足の状態を観察します。)から、脾虚腎虚寒証と類推しました。脾虚腎虚寒証とは東洋医学的な体質の一つです。

 

脾虚腎虚寒証に対する本治法(経絡治療という鍼灸の一流派の考え方で類推した東洋医学的体質に応じた施術を行います。)と標治法を組み合わせて施術をすることとしました。

標治法とは、症状の出ている箇所に鍼や灸をするという意味ではなく、発現している症状に関連する経絡上の経穴(ツボ)へのアプローチにより、症状を改善する目的で行われる施術です。

この本治法と標治法を組み合わせて行う方法は、当院の基本的な施術方針で、殆どの場合この手法で施術を行っています。

 

本治法として腹部への施灸を行い、足の太陰脾経、足の少陰腎経及び足の陽明胃経上の経穴を補いました。

その後、標治法として足の太陽膀胱経、足の少陽胆経上の経穴に軽い接触鍼をして施術を終えました。

 

鍼灸施術を受けるのは初めてとのことで、かなり不安があったとのことでしたが、それまで感じていた怠さが解消され、身体が非常に軽くなったと大変喜ばれました。

1週間後にもご来院いただき、初回と同様の施術を行い、継続して感じていた不調は2回の施術でほぼ解消し、「今までのつらさは何だったのだろうと」おっしゃっていました。

 

その後は3週間~1カ月に1回程度、メンテナンスで定期的に通って頂いています。

 

 

月経不順(無月経)の施術例

30代の女性。

「生理が3カ月ほど来ない。」とのお悩みで来院されました。

お身体の状態を確認しました。脈と舌、腹部等の状態から、東洋医学的な現在の状態を脾虚肝実瘀血とみたて、以下の施術を行いました。

 

腹部に施灸、少陰腎経と太陰脾経上と頭部の経穴に刺鍼した後、仙骨部への刺鍼と箱灸を施しました。

また、ご家庭での施灸ポイント(家庭でできるせんねん灸等での台座灸)として、太衝、三陰交、血海の3点をお伝えし、印を付けました。

翌週に再来院いただいた際に、当院の施術を受けてから3日後に生理が再開されたとのことで、大変に喜んでいただきました。